先日、森の中のオフィスにて開催された「自然の恵みフェスタ」の中で、竹製フレームの自転車を展示しました。
この珍しい自転車を置いた理由は、素材という観点から自転車と環境問題について考えてもらうきっかけにしたいと考えたからです。

今回展示したZAMBIKE(ザンバイク)は、アフリカ南部の内陸国ザンビアに生息する竹を使い、ザンビアの人達の手で作り上げたフレームです。

現地の人々の生きるための生活の足となり、職業訓練や雇用拡大に繋げる。
何より地球環境へ与える影響が極めて小さいという特徴を持っているため、これからの時代にふさわしい理想的なフレームのひとつと言えるのではないでしょうか。

※詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。

ZAMBIKESホームページ
http://www.zambikes.jp

さて、竹と言えば日本でも馴染みのある素材ですね。
エジソンが日本の竹で白熱電球を作ったという話もありますが、今では「竹害」などという言葉も耳にします。

それはなぜでしょうか。
実は私達のライフスタイルが変化したことに起因する問題なのです。

かつてタケノコを採るために栽培されていた外来種の「孟宗竹」ですが、以下の理由により管理が放棄されたと考えられます。

1.建築様式が変化し、土壁が減り、竹材の需要が減少した
2.人々の生活様式が欧風化し、竹製品の利用が減少した
3.プラスチック製品など、竹製品の代替品が出現した
4.タケノコや竹製品を安価で大量に海外から輸入するようになった
5.竹生産者の高齢化が進み、後継者不足になった

その結果、強い繁殖力をもって竹林の周辺に次々進出し、森の植生を破壊します。
竹は日当たりが悪くても成長が早く、竹が密集すると益々日当たりが悪くなり、下草が育ちにくくなります。
そして鳥類や昆虫類などの数も減少し、生物多様性が損なわれていくのです。

私達自身がライフスタイルを転換することはもちろん、生物多様性保全の活動に積極的に取り組むことも重要です。

ではどうするのか、SNI自転車部が取り組む一つの方法として「国産の竹を使って自転車フレームを作れないか」と考えて、ビルダーさんに話を聞いたりしています。

竹林を整備するために自分達の手で竹を伐採し、プロのビルダー監修のもとに竹製フレームを作り上げる。
竹製バイクに乗る人が増えることで生物多様性が守られ、その土地の資源を活用でき、温室効果ガスの排出量も削減されます。
何より、これらの取り組みは楽しくて心の底から喜びやワクワク感が溢れてきそうです(笑)

そんな取り組みが実現できないかと考え、今動き出しています。

By Mercy