「国産の竹を使って自転車フレームを作る」事を目指していたところ、自転車部のメンバーが、山口県にある「Spedagi Ato(スペダギ阿東)」という団体をネットで見つけ、紹介してくれました。連絡を取って早速、足を運びそこで様々な情報を得ましたので紹介します。
<インドネシアで立ち上がった「Spedagi」(スペダギ)とは?>
山口のこの団体のことを書く前に、発祥地インドネシアのことから紹介していきます。この「Spedagi」の活動目的は、「持続可能な社会」をつくることです。この団体を主宰するリーダーのシンギー・カルトノ氏は、「自然」に価値を認め、自然素材でものをつくり、自然を味わう日常生活を送る事が鍵だと考えました。
シンギー氏の生まれ故郷は元気がなくなっていました。急激な経済成長の中で、「自然」に価値を見いだせない村の若者たちが都会に流出してしまうからです。それではいけない!と、自然素材を使って豊かに生活できることを実証し村を元気にするため、そこで自生する再生可能資源のバンブーを利用することを考えつきます。その内容が、バンブーでの自転車づくりや宿泊所作り、竹林内で村の特産品を売る市場を開くことなどでした。
地域住民が知恵を出し合い協力して取り組みました。現在、この地域で活動する主力メンバーは、10代~20代との事でした。着実に村は元気になっているのでしょう。
<なぜ、自転車だったのか??>
この団体名「Spedagi」はインドネシア語で「自転車=Sepeda(スぺダ)」と、「朝=Pagi(パギ)」からなる造語で「朝、自転車に乗る」という意味です。インドネシアのイスラム教徒の人口は世界最大です。早朝4時には、お祈りの時間を告げる放送「アザーン」が響き渡ります。その後朝食を済ませても、仕事や学校に行くまでの時間がかなりあります。この時間を利用して、朝自転車に乗って村を巡り、村人たちが抱える課題などの「御用聞き」をはじめました。この「御用聞き」で、インドネシアの伝統工芸品「バティック(織物)」の跡継ぎがいないことが分かり、「バティックづくり」を後世に残す活動を開始したそうです。
この「御用聞き」用自転車も竹で作ってしまおう!という発想から、バンブーバイクは生まれました。純粋な「人の役に立つ」という「御用聞き」から生まれたのです。
私は、この成り立ちと行動力に感動しました。人の役に立ちたいという思いは、きっと人類全体に共通する願いなのだと感じます。そのために、本気で行動すれば、必ず拡がるものだと教えられました。
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