フランクフルトでポタリング!

まず、ポタリングとはなに?

よく質問を受けます。ポタリングとは、「仲間数人で自転車を使って散策すること」です。この言葉は和製英語で、日本語にも英語にも辞書には掲載されていませんでした。海外では通じません。
“potter”という単語には、イギリス英語で「のんびりブラブラする」という意味があるようで、それに”ing”をつけて”pottering”としたのでしょう。「自転車で」という意味は含みませんが、日本でポタリングという場合、その多くは近郊を家族や気の合う仲間など数人で、散歩のように軽く自転車で走ることを指します。

お一人でライド
後ろにカモ

海外でもサイクリングが好きな人は大勢いますが、「のんびりと二人以上の人数で散歩のように走る」ポタリングのようなイベントは存在しないかもしれません。ドイツではペアで走っている人はいましたが、グループでは見かけませんでした。台湾ではすれ違ったサイクリストは皆単独走行でした。

主催者の「おもてなし」の心と企画力

一番右がリーダー!
さて、フランクフルト市内のサイクリングロードを走るポタリングイベント。
メンバーは私を含め6人で、私以外は普段からあまり自転車を活用している人達ではありません。中には12年ぶりに乗るという人も。
メンバーのうちの1人が下調べをしてコースを決めました。実質的なリーダーです。
日本からの参加者である私が喜びそうな、自然いっぱいのコースを用意してくれました。全長約20㎞です。

コース内には、次々と興味のあるものが現れました。護岸工事がされていない川沿いのコース。

そこに生息するヌートリア!(私は野生動物が大好きです)

ヌートリア(ビーバーの仲間?)

ドイツらしい背の高い木々、そして広大すぎるほどの市民農園

そこら中にある市民農園

さらには本のシェアボックス。

古本を市民同士がシェアするための取り組みがあります。
楽しそうな参加者

それらに出会う毎に説明してくれたので、よくわかりました。極上のおもてなしを受けた気分でした。
私以外の参加者も久しぶりに自転車に乗り、楽しさを再確認していた様子です。
主催者の下調べを含む企画力によって、イベントはより楽しくなります。

食事も大事

サイクリストにとって食事は大事。外から取り入れた食物が自分自身になるのです、、、というよりも単純に運動をするとお腹がすき、空腹時に食べるものは大変美味いのです。

一番おいしいのは水かも。自然の恵みを感じます。
一緒に食べたらもう仲間。
お酒は×
お腹がすきすぎて、写真の構図が雑に、、、
もちろん肉は食べません!

今回は、目星を付けていた二軒が行ってみると定休日。さらに走ってさらにお腹をすかせ、たどり着いた和食店で昼食を摂りました。一緒に走って、食べたら、仲間意識はいっそう深まります。

ハプニングも楽しむ

壊れたタイヤ

今回それは私の身に起きました。走行中、パーンッと大きな音がしたかと思うとお尻に違和感が。パンクでした。しかも、穴が開いたのはタイヤ。(通常はタイヤの中のチューブに穴が開く)。

アンネ・フランクの家を見学
修理する私

コース内に『アンネの日記』の著者で有名なアンネ・フランクが昔住んがありました。見学も予定に組み込まれていましたが、その場所でパンクの修理をしたのは大変良い思い出です。

ポタリングの魅力

半日ではありましたが、ずっと後まで忘れないイベントとなりました。ポタリングの良さは、①自転車の楽しさが再確認できること、②一緒に走った人達との仲間意識が深まるということ、③コースの選択はによって自然と自分(人間)の関わりに気づくことができる、ということです。

ドイツならではのロケーションを楽しむ!

ポタリングの可能性

このようにポタリングは普段、あまり自転車を使わない人たちでも存分に楽しめるイベントです。また、日本だろうが海外であろうが、その土地なりの食べ物を含む自然、史跡等の特徴をコース内に組み込むと新鮮で楽しめます。また、体力もさほど必要としません。結果として、自転車利用者が増えるのではないか、と私は思いました。
楽しかったあ!!

岡田 慎太郎