
ゴール後、参加者との集合写真。みんないい顔(^_^)
「あのお、ゴールデンウィークに、大阪のメンバー数名で自転車を持って八ヶ岳に行く予定です。。。八ヶ岳を1周したいのですが、どうでしょうか??」
という電話がかかってきました。
「どう?」が何を意味するのか不明でしたが、手伝ってくれということかな?と思いました。
私たちが「ヤツイチ」と呼んでFacebookに度々投稿していた八ヶ岳の周りを1周するコースの走行を希望していました。

出発前のひととき。なんと、いきなりパンクした人も。朝の6時30分ころです。
このコース、普段鍛えていない人および高地に住んでいない人にはキツいと思いました。
距離は約100㎞以上、しかも空気の薄い標高2,000m以上の高地を走ります。
そして走る彼らは、
・スポーツバイクに乗っている
・通勤には使っているが坂道はない。距離は20㎞ほど
・普段はあまり乗っていない、休みの日に乗る。
・住居は海抜0m以下の人もいる?とにかく高地ではない。
・年齢は40以下
最後の若いということを除くと、厳しい条件が並んだので、全員完走は難しいだろうと思い、ハッキリそう伝えました。

実際に走った記録。赤丸の中に八ヶ岳がそびえたつ
しかし、彼らのモチベーションは高かった。そして考えました。
大型連休に自転車でロングライドするという選択はテーマパークに出かけるよりも、長距離ドライブするよりも好ましいのではないかと。(そのような遊び方を否定しているわけではありません)
・お金もさほど使わず、CO2も排出しない
・休日の、新しい遊び方として流行ると嬉しい
・都会に居住する人の「自然と触れ合いたい」という気持ちは貴重。それに自転車が一役買えるかもしれない。
などと思い、手伝うことにしたのです。結果を書いてしまいますと、大阪メンバー7人中6人が完走!!(一人は腰痛で全行程走破ならず)
「あ、意外にいけたな」と思いました。
ネット上にあるロングライドに関するブログ記事は、アスリート向けの内容が多く、はっきりいって参考にはなりません。
だから、工夫しました。
一般レベルの体力の人と、100㎞の距離を自転車で走るためには以下のような注意が必須だと思います。
ポイント1.ゆっくりと走る
力を温存するためにゆっくり走ること。
「平坦だから楽勝!」とか「いいところを見せよう」と飛ばすと、後に確実に後悔します。
ゆっくりすぎないか?と思うくらいのペースがちょうど良いです。
ポイント2.休憩をとる
何度も休憩を取ります。長い登りが続く場合は、登りを一気に完登しようとせず、途中で何度も止まって休憩を取ると良いです。
目的は、全行程の走破ですから。
ポイント3.しっかりエネルギーを補給する
基本中の基本ですね。おむすびを休憩中に1個ずつ食べました。
ポイント4.人数が多い場合は、実力によってグループを分ける
今回は15名でのライド。力量に違いがあったので同程度の体力を持つ3グループに分けました。コースを変えても良いと思います。
速い人に遅い人が合わせると遅い人は完走できません。
遅い人に速い人が合わせると速い人は満足できません。
だからグループを分けることが、お互いの幸せのためです。
ポイント5.トイレの有無をチェック
トイレの場所くらいは事前に確認するのが良いでしょう。ついでに休憩場所も。
【追記】
ポイント6.夏季は避けた方が無難
最近の暑さは異常です。日頃、ヒルクライムが趣味で、頻繁に乗っている経験者が似たようなコースを夏季に走ったのですが、季節が違うだけで、水は5〜6倍の量が必要、難易度は10倍以上になると思いました。
ポイント7.虫にも注意
さすが自然。アブに刺される経験を何度をしています。その時は痛く、その後かゆいだけなんですがね。でも嫌な人は嫌でしょう。
では少し、春のロングライドの様子を紹介します。
◯今回最大の難所は「麦草峠」でした。峠の入口から、かなりの坂を登ります(標高差約900m程)。そこまでに十分な力を残せるようゆっくり走行。

スタート直後、元気いっぱい!だけどペースはゆっくりと。

八ヶ岳の麓を走る。都会にはないロケーション

「平坦」な道などそうないのです。アップダウンを繰り返します。それが地球を走るということ。
◯「麦草峠」の入口到着!ここまでの距離約40㎞。もうすぐ半分です。ここから最大の難所を迎えます。

標高約1,200m地点。5月なのにまだ桜が咲いていました。

一列での走行はこの辺りで解除。峠はそれぞれの楽なペースで上ることにしました。速い人は休憩場所で待つことになります。

「つづらおり」が続きます。内側を回る場合(左カーブ)は急勾配となり気が滅入ります。
◯麦草峠までの中間地点に到着。標高は約1,600m。一旦ここで記念撮影。


休憩して少し回復した後、再スタート。背後は絶景ですが、それを見る余裕もなくなってきました。

前方に見えるのは、縞枯山(しまがれやま)。八ヶ岳連峰の1つで標高2,403mです。
標高約1,900m地点まで来ました。駐車場で休憩しています。右前方に見えるのは百名山の1つでもある蓼科山。
◯ついに「麦草峠」最高地点に到着しました。
5月にもかかわらず、この辺りには雪が残っていました。

3つに分けた最後のグループも無事に到着。ここからは下り基調です。
◯下りも気をぬけません。事故の多くは下りで起きますし、ダメージも大きくなります。

いよいよ終盤。お尻、腰、足などに多少の痛みを感じますが、もう完走は近い!

ゴールまで残りわずかですが、日没が近づいてきました。そして、、、
◯ゴール!!!最後のグループは18時を過ぎました。

最後はみんな笑顔
長い一日でした。
アスリートでなくても約100㎞、獲得標高約2,000mくらいならば走りきることが可能だとわかったこと、使った時間以上の満足感と一緒に走った仲閒との一体感が確実に得られることもわかったことは収穫でした。
また、都会(大阪)から来た彼らはキツネや鹿を見たと言っては喜んでいました。自然も堪能したようです。
最近はSNI自転車部の仲間たちもフェリーなどを利用して、四国を横断したり、伊豆大島をまわったりしているようです。
休日にロングライドはいかがですか?
私も、夏休みにはどこを走ろうかな?などと考えてワクワクしています。
(岡田 慎太郎)