1月末に青森県から山梨県に引っ越してきてから、半年が過ぎました。いまでは、晴れの日は、基本的に自転車通勤(ジテツー)をしています。今回は、はじめは無理だと思っていたジテツーが、できるようになるまでのお話です。

<ジテツーなんて無理!>

 青森にいたときは、ジテツーをしていましたが、片道2kmの平坦な道で、10分かからずに職場に着いていました。しかし、山梨では、距離12.5km、標高750mから1320mまで、約600mの坂道を登らなければなりません。

 自転車は好きですが、青森にいるときは、そんなに乗れていませんでした。ジテツーはほんのちょっとですし、休日、たまにサイクリングに行く程度。また、冬の12月から4月ぐらいまでは、雪が積もるため自転車に乗ることができません。他に運動をしているわけでもなく、仕事も一日中PCに向かう事務作業。そんな状況だったので、体力があるはずがありません。

 それでも、ジテツーをしてみたくて、3月28日、休日に初めて職場まで自転車で登ってみました。なんとかたどり着くことはできたものの、何回も休憩しながら、2時間近くかかりました。この通勤ルートは、最後に一番きつい坂が待っています。甲斐大泉駅標高1164mからオフィス1320mまでの2km、平均勾配8%の激坂があります。すでに疲れきっているのに、追い打ちをかけるような坂に、心が折れそうになりました。何度も足を着きながら、やっとのことで到着。疲労困憊してしまい、こんな状況では、とてもじゃないけど「ジテツーなんて無理!」と思いました。

(初めてオフィスまで自転車で)

<ジテツーできるかも?>

 そんな私が、「ジテツーできるかも?」と思えるようになったのは、仲間がいたことと、山梨の豊かな自然、そして、少しずつ慣れていったから。

 4月18日、職場の自転車仲間から、“蕪の桜並木”を見に行くポタリングに誘われました。距離は往復約10km。坂も当然あります。でも、仲間と一緒で、ゆっくりとしたペースだったので、気持ちよく走れました。そして、目の前に広がる美しい景色。澄み渡った青空と、遠くに見える山々、桜並木。疲れも吹き飛びました。

(蕪の桜並木)

(蕪の桜並木)

(八ヶ岳をバックに)

 5月11日、同じく職場の仲間から、初心者向けに何人かでジテツーをしてみようという「ジテツーデー」に誘われました。3月に登って以来、オフィスまでは行けていなかったので、今回が2回目です。「大丈夫だろうか?」という不安もありましたが、やってみたら、最初よりも楽に登りきることができました。8名が参加し、朝6:30に寮を出発し、8:30にはオフィスに到着することができました。仲間と一緒だと、1人の時よりも、楽しく、そして力がでるような気がしました。また、前回、自分1人で登った時よりも、ゆっくりとしたペースで、休けいも多くとりながらだったため、鳥の声や、周りの景色を見る余裕もありました。無理しないでゆっくり行けば、「ジテツーできるかも?」と思うことができました。

 また、この日はフレックス休暇をとっていたため、私は仕事がお休みでした。まだ余力があり、走れそうな気がしたので、オフィスから足を延ばして、天女山(標高1529m)まで登り、さらに清里の清泉寮まで行き、ソフトクリームを食べて帰りました。疲れた体に甘いソフトクリームがしみこみました。八ヶ岳もきれいに見えました。

(清泉寮のソフトクリーム)

(八ヶ岳高原大橋から見た八ヶ岳)

<ジテツーっていいな>

 それから、少しずつジテツーをするようになっていきました。また、職場の自転車イベント(5月16日:観音平ヒルクライム、6月6日:パンライド)にも参加しながら、自転車に乗る機会も増えていきました。ただし、相変わらず上り坂が大変というのは変わりません。「今日はやめておこうかな」という日もあり、このまま続けられるかどうか少し不安でした。そこで、6月に入ってからは、「晴れの日は、ジテツーする」と、自分の中で宣言し、少し気持ちが乗らなくても、とにかくジテツーすると決めて継続することにしました。すると、少しずつですが、身体が慣れてきて、最初の頃よりは、疲れなくなってきました。

 ジテツーを続けていて感じるのは、人間の慣れるという能力はすごいということです。どんなに大変なことでも、継続しているうちに慣れてきます。さらにタイムも短くなってきました。最初は、2時間かかっていましたが、今では、1時間20分ぐらいで到着できるようになってきました。

 とはいうものの、はっきり言って、まだまだ上り坂がキツいのは変わりません。また、今日は少しタイムが短くなったと喜んだかと思えば、次の日、遅くなるときもあります。それでも、単純に身体を動かすことは気持ちがいいものです。仕事のストレスも、汗をかくことで解消することができます。そして「今日もここまで登ることが出来た」という、ちょっとした達成感を味わうことができます。これを続けていたら「もっと体力がついて、早くなれるかな~」という期待感も続けるチカラになっています。今では、「ジテツーっていいな」と思えるようになりました。

 ジテツーしてみたいけど、自分には無理かなーと思っている方がいたら、思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか。やってみたら、案外できるかもしれません。きっと、新しい世界が広がっていきます。

(6月17日 富士山の写真 通勤途中に富士山が見られるなんて、青森にいるときは思ってもみませんでした)

<まとめ>

以下、私がジテツーをできた理由と、ジテツーの良い点についてまとめてみました。

1.ジテツーができた理由

・自転車の仲間がいたこと

・豊かな自然、美しい景色

・少しずつ慣れていったこと

・職場がジテツーを推奨してくれていることも大きな理由です。(危険だからと、ジテツーを禁止している会社もあると聞きます)

2.ジテツーの良い点

・身体を鍛えられる

・身体を動かすことが気持ちいい。仕事のストレスも解消!

・自然を身近に感じられる。素晴らしい景色が見られる

・帰りは下り、気持ちいい~

・移動によるCO2を排出しない。

 

(阿仁屋 雄一)