自転車に乗っていると、思わず手を合わせたくなるほど、感動する瞬間があります。私はその瞬間を「拝みポイント」と勝手に言っています。例えば、辛い坂道を登り切った時の達成感や、お気に入りの場所から見る風景など、私の心を深く動かしたとき、なんとも言えない、喜びと幸せを感じて、いつの間にか手を合わせるようになりました。
11月中旬、SNI自転車部メンバーと一緒に、紅葉を観に行こうと、自転車で瑞牆山の周辺を走ってきました。この時も、私の中で、心が深く動いた瞬間「拝みポイント」があったので、当日の様子と合わせて紹介させていただきます。
今回走ったコースは、野辺山駅をスタートして、信州峠を登り、みずがき山自然公園から、増富温泉、みずがき湖ビジターセンターまで下ったあと、さらに信州峠を登り返す、距離にして、59.2㎞ 獲得標高:1,709mを走りました。
改めて見てみると、運動の苦手な私が、「ここまで走れるようになったんだな~」と、少し体力のついてきた、健康な身体も拝みポイントです(笑)
<自然の雄大さに感動>
当日は、ライドの前まで雨が降っていたのか、水を得た草木がとても鮮やかで、イキイキと喜んでいるように見え、ペダルを漕ぐ足も軽やかになります。
広大な農地と紅葉している山々がとても美しく、雲の隙間から虹が現れた時は、思わず歓声を上げ心の中で手を合わせました!!
もちろん、坂道もしっかり堪能できるコースです。
そしてお待ちかね、瑞牆山は、圧巻でした。
力強く堂々と立つその姿を見ながら、静かに目を閉じると、目の前に聳える瑞牆山と自分が溶け込むような感覚になりました。
そして、「私も、この瑞牆山と同じように、力強い生命力があるのだ」そう実感できました。
<お互いを思いやる姿に感動>
拝みポイントは、同じ時間を過ごした、メンバーの姿にもありました。
今回は、4名の女性メンバーが、行き届いたサポートで、完走を後押ししてくれました。写真撮影や休憩の度に用意される、温かい飲み物、そして、愛情がたっぷりと込められた、手作りの差し入れは、どれも体を気遣ったものばかりで、疲れた体が、ホッと休まり、次への活力となりました。
甘酒や手作りの、きな粉クッキー、芋ようかんなど、どれも優しい味で心も体も満たされました。
そして、一緒に走ったメンバーは、鍛え抜かれた人達ばかりでした。
もっと早いペースで走りたかったことでしょう。それでも、私をはじめ、ペースがゆっくりのメンバーに合わせて、声を掛け合い、時には冗談を言いながら和ませてくれました。
お互いを思いやる姿は、温かい雰囲気を作り、笑顔の絶えない時間となりました。皆が無事に完走できたのも、このメンバーだったからです。
<ライドを通して感じたこと>
瑞牆山ライドを通して、自然から、生命の美しさと力強さを感じることができました。そして、人の温かさ、相手を思いやる事の大切さに触れた、拝みポイント満載の充実したひとときでした。
私は、自転車に乗りはじめて、今回の瑞牆山ライドのように、喜びや感動に溢れた時間を過ごす機会が増えました。同時に日常生活の中でも、意識して、「拝みポイント」を探すようになり、日々の生活を、より楽しく過ごせるようになったと感じています。
皆さんはどんな時に心が動きますか?
最近、そんな経験が少なくなったと感じる方は、是非、自転車に乗ってみてください。きっと、素敵な瞬間に出会えると思います。
SNI自転車部 原田佳兒