自転車利用は増えのたか?
コロナの感染拡大以降、日本全国で自転車利用が増えていると聞きます。「密」を避けることができる移動手段として。また、運動不足解消の手段として自転車に注目が集まっているそうです。これは本当でしょうか?
考えてみると私の周りでさえ、自粛が求められた時期以降に自転車ライフを始めた人の顔が10名ほど、すぐに思い浮かびました。たしかに自転車への関心は高まっているかも!
コロナと自転車利用についてネットにある様々な情報を、事務局員(阿仁屋、原田、興梠)が少し詳しく調べたので整理してお伝えします。
有名な調査があります。保険会社が都内で500人に行ったアンケート結果をまとめたもので、「自転車通勤者が増えている」と結論づけています。この記事が最も出回っているようです。私の友人もSNSでシェアしていました。しかし、この調査は対象も少なく場所も都内限定。ですが、このような調査自体少ないため、多くの地方紙で全国ニュースとして取り扱われました。もちろん一つのサンプルではあります。
では全国ではどうなのか?気になりますよね。
そこで、「○○県 コロナ 自転車」(←○○には都道府県が入る)とネットで検索してみました。すると、47都道府県中25県でコロナと各地域の自転車利用との関連情報が見つかりました。その内容は「行政の取組」9件、「自転車店の売上好調」7件、「自転車利用者増加」4件、その他には、「使用していなかった自転車の修理依頼やシェアサイクル利用者の増加」などでした
情報は地方新聞(例:東奥日報電子版、河北新報ONLINE NEWS他)や市町村のWebサイトなどから。
また、自転車のメーカーや販売店、例えば「あさひ」「ジャイアント」「シマノ」などの売上増も報じられていました。(※)
なるほど。「自転車利用」はコロナウイルス感染拡大以降、全国的にも増加している可能性が高いと思われます。
(※)ヤマハなど、生産遅延や営業活動の自粛などで売上が減少しているという記事も若干あった
行政の取り組みはどのようなものか?
このような好ましい状況は政府の要請等も影響しているかもしれません。コロナを受け、政府は自転車利用(自転車通勤)を推奨し始めているのです。例えば以下のように。
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の中で自転車通勤等を推進 (3月28日 5月25日変更)
・国土交通省「『自転車通勤推進企業』宣言プロジェクト」を発表、自転車通勤を推進する企業や民間団体を認証する制度を開始。(4月3日)
・厚生労働省「新しい生活様式」の実践例のひとつとして自転車利用にふれる。(5月4日)
・国土交通省(自転車活用推進本部)が、新生活様式を踏まえ、東京23区内で自転車専用通行帯等の整備。全国への推進。さらにシェアサイクルの利用も拡大を発表。(6月18日)
そして、その政府の方針を受けてか、36都道府県と一部市町村が、自転車利用の推奨を公式サイトに掲載していました。中でも愛媛県今治市では顕著で市民のスポーツ用自転車、ヘルメットの購入、市内事業者の自転車駐輪施設等整備支援のための補助金事業が8月から始まっています。自転車やヘルメット購入の際は金額の最大3割が補助されるそうです。これはすごい!
風(追い風)にのって
これまで見てきたことから、自転車利用者や、自転車生活を広めたいと思う人たちにとって、追い風が吹いていることはどうやら間違いないようです。
私はコロナウイルス感染拡大の収束をもちろん日々願っています。あまり良い報道のない最近ですが、コロナがきっかけとなってライフスタイルを見直し、自転車を活用し始めた人がいることは、「良いこと」ですね。
「今は自転車を始めるチャンスだよ」「みんな乗り始めてるよ」といっても、間違いではありません。自転車仲間を今こそ、どんどん増やしてまいりましょう(^_^)
(SNI自転車部長 岡田 慎太郎)