SNI自転車部メンバーも900人を超え、新しいメンバーも多くなりました。
「ヘルメットの着用」「自転車保険への加入」について、私自身の交通事故の経験も踏まえて、改めて紹介します。

【交通事故の体験】

数年前の秋、クロスバイクでヒルクライムの練習に行った帰り、もう少しで自宅到着というところで、交通事故に遭いました。

とても見通しの悪い四つ角で、出会い頭でトラックに衝突し、ヘルメットを被ったまま、頭でトラックのサイドミラーを粉砕し、アスファルトの道路に右肩から落ちて、鎖骨を骨折しました。

いつもならスピードを落とすのですが、この日は疲れていて早く自宅に帰りたいという気持ちもあり、また、普段は車もそんなに通らないので、大丈夫だろうと思って、そのまま進入してしまいました。すると、左からトラックが走ってきて、慌ててブレーキをかけましたが間に合わずに頭から突っ込んでしまいました。

【ヘルメットのおかげ】

現在使用中のヘルメット

鎖骨骨折の為、道路に座り込んで全く動けず、通りかかりの方が救急車を呼んでくれ、近くの病院に運ばれて検査となりました。鎖骨以外も、あちこち打撲していましたが、ヘルメットのお陰で、脳のCTには何の異常もなく済んだのです。
鎖骨は、粉砕骨折していましたので、手術をして金具で固定しました。

その後、3日入院し、自宅で2週間療養し、1ヶ月位で元通り職場復帰することが出来ました。完全に、金具を抜くまでは、半年位かかりました。

少しタイミングが違えば死んでいてもおかしくない事故でした。ご先祖様や家族、駆けつけてくれた同僚、お医者さんや看護師さん、お世話になった周囲の皆様に心より感謝致しました。

とりわけ、身替わりになって、ショックを吸収して壊れてしまった「ヘルメット」さんには、唯々感謝しかありませんでした。

自転車に乗る場合、いついかなる状況で転倒し、頭部を損傷するかわかりません。自転車用のヘルメットは、頭部の代わりとなって破損することで衝撃を緩和する役目があるのだということを体で実感させて頂きました。

そして私が事故を起こした場所が自宅の側で、ごくありふれた状況だった事でわかるように、どんな人にもどんな車種にも、事故の可能性があります。「家の近所を買い物や子供の送り迎えでちょっと使うだけだから大丈夫」という事はありません。

【自転車保険の有り難さ】

また、事故後、鎖骨骨折の手術の費用や入院費なども、かなりの高額でしたが、「自転車保険」に入っていたお陰で、経済的な心配をすることはありませんでした。

壊れてしまった相手のトラックのサイドミラーも私の自転車もすべて保険で、元通り修理することが出来ました。

保険は、相手方に怪我や物損を負わせてしまった場合は「賠償責任保険」、自分自身が怪我をしてしまった場合は「傷害保険」が適用されるので、両方をカバーするタイプが安心だと思います。


「交通ルール」や「マナーの遵守」をすることはもちろんですし、交通の安全はお互いがルールを守って成り立つものですし、転倒などの不意な事故もあります。

コロナ禍の中、病院で診てもらうことも困難な場合もあり、交通事故をしない方が良いのですが、起こる可能性がゼロという訳にもいきません。

【自転車保険の義務化について】

また、各自治体で進む自転車保険の加入義務化が進んでいます。

義務化で加入が必要なのは、自分が加害者になってしまった場合の相手への補償「賠償責任保険」の方で、義務化の背景には、1億円近い賠償金を請求された事例があるからとも聴きます。

2022年4月現在、自転車保険加入の義務化・努力義務化が条例で定められているのは下記の地域です。

【図表】地方公共団体の条例の制定状況(2022年4月1日現在)国土交通省

自転車保険加入が義務化されている地域で自転車に乗る場合、その地域の住民でなくても自転車保険加入が必要となります。また、未成年のお子さんも、保護者がお子さんを保険に加入させなくてはいけません。

【皆さんは大丈夫ですか?】

ヘルメットはひび割れしていませんか?実はヘルメットは消耗品なのです。安全に乗っていても劣化していきます。ヘルメットの寿命は2、3年と言われています。また、保険期間は切れていませんか?

いざというときに、自分の身を護ってくれるヘルメット、経済的に、社会的に自分の身を護ってくれる自転車保険を、もう一度、確認してみてください。

必ず「ヘルメット」を着用し、「自転車保険」に加入し、明るく、楽しい自転車ライフを楽しんで参りましょう。

河野 知足