今回は、私が3年前に「ロードバイク」を”思いがけない方法”で手に入れた時のお話です。

そのころ私は、「生長の家青森県教化部」に勤務しており、「クロスバイク」を2年前に購入して、ジテツーをしていました。クロスバイクも普段使いではとても乗りやすい自転車ですが、乗り慣れるにつれて、舗装道路を速く走るためだけにつくられたロードバイクにも興味が湧いてきて、乗ってみたいという気持ちが大きくなっていきました。

また、SNI自転車部にも所属していて、自転車が健康的で、環境にも負荷をかけない乗り物であることを、多くの人に知ってもらいたいと思っていました。そんな中、青森教区で「生長の家自然の恵みフェスタ2017」というイベントが開催されることになり、私が「スポーツ自転車試乗コーナー」を担当することになりました。私のクロスバイクに乗ってもらう予定にしていましたが、「ロードバイクにも試乗してもらえたらいいな」とも考えていました。

しかし、ロードバイクは高価な自転車です。その時は「まだまだ買えるのは先の話」だと思っていたのです。

2017年の9月のことです、伯父の法事があり、久しぶりに親戚一同が集まりました。そこで、10年ぶりぐらいに1歳年下で埼玉に住んでいる従兄弟と再会しました。その会食の席で、久しぶりに話をしたら、3年ほど前からロードバイクに乗っているということがわかり、同じ自転車好きとして話が弾みました。彼は、車好きで、スポーツ車で峠に走りに行くような人だったので、まさか自転車に乗るようになっていたとは驚きでした。そして、何気なく「ケイデンスセンサー※1が欲しいんだよね」なんて話をしたら「使ってないのがあるから、よかったらあげますよ」とのこと。しかも、「ビンディングペダル※2もあるからあげます」というではないですか。「それはとてもありがたい!」とは言ったものの、お酒の席でもあったので、そんなに期待してはいませんでした。

 ※1 ケイデンスセンサー:ペダルの回転数を測るもの
 ※2 ビンディングペダル:専用シューズを固定することができるペダル

それから10日ほど過ぎたとき、彼から荷物が届きました。なんと、本当に送ってきてくれたのです。しかも、ケイデンスセンサー、ビンディングペダルの他に、サイクルコンピューター※3、心拍センサー※4、さらにシューズまで入っていました。メモには「サイズが合わなかったら捨ててください」と書いてありましたが、履いてみたら、大きめでしたが、充分使えそうでした。そして、それらは、私がちょうど欲しいと思っていたモノそのものだったのです。

 ※3 サイクルコンピューター:自転車に取り付けて、速度や走行距離などを確認することができるもの
 ※4 心拍センサー:心拍数を計測するためのセンサー

それから約1カ月後の10月21日、山梨で開催されたSNI自転車部のイベント「天女山ヒルクライム」に出場したのですが、ちょうどその日に、自宅に大きな荷物が届いていました。なんと、その従兄弟から「ロードバイク」が送られてきたのです。実は、法事のときに、「今はクロスバイクに乗っているけど、いつかはロードバイクにも乗ってみたいな」という話をしたら、「新しいロードバイクを買って、前に使っていたものがあるから、よかったらあげますよ。ただ、今は友人に貸しているから、ちょっと聞いてみます」なんていう話もしていました。でもまさかロードバイクはないよなと、思って忘れていました。そしたら本当に送ってきてくれたのです。しかもカーボンフレームの私にはもったいないぐらい高価なものでした。きれいに磨き上げられて、丁寧に梱包してあり、自転車の防犯登録についても「譲渡証明書」まで付けてくれるという気の利きようです。そういえば、私の股下寸法を教えていて、フレームサイズも大丈夫でした。さすがに申し訳なくて、いくらか払うと伝えたのですが、送料だってかかるのに、いらないと言うのです。とにかく感謝しかありませんでした。

なんとか組み立てて乗ってみたら、とにかく「軽い!」、スピードも出るし、感動しました。自転車の新しい魅力に気づかせてもらいました。

そして、「自然の恵みフェスタ」は10月29日開催だったので、頂いたロードバイクを持ち込んで「自転車試乗コーナー」で試乗してもらうこともできたのでした。

この時の出来事は、今思い返してみても「こんなことって、本当にあるんだな~」と驚くばかりです。どうして、そうなったのかを考えてみると、まずは「ロードバイクが欲しい」という”想い”があったこと、そして、「声に出して言ったこと」があると思います。「求めよ、さらば与えられん」という言葉もあります(もちろん、いつも与えられるわけではありませんが)。また、自分のためだけではなく、他の人にも乗ってもらいたい、という気持ちがあったことも、よかったのかもしれません。

自転車を通して、とても貴重な体験をさせていただきました。頂いたロードバイクは今でも大事に乗っています。また、従兄弟とは、あれ以来、直接は会えてはいないのですが、交流は続いています。今年の年賀状では、「今年は、一緒に走れたらいいね」というやりとりをしました。青森から山梨に移り、近くなったので、今年は実現できたらいいなと思っています。

阿仁屋雄一 記