自転車でこども園へ通う話

 以前、自然と触れ合う時間をできるだけ沢山こどもに提供してあげたいという想いから、電動アシスト自転車を使ってこども園(幼稚園)へ送迎をし始めた、というブログ記事を書きました。

 その後どうなったかと言うと、長女に続いて長男も通うようになり、今もこども園の送迎に自転車を活用(雨の日などは無理せず乗らないことに)しています。

 最近は、鳥の鳴き声や路傍の花に興味を示すようになるなど、こども達にも変化が現れ、すっかりジテツーを気に入ったようです。ショートムービーから、その様子が伺えると思います(^^)

休園、そして公園の封鎖

 4月、新型コロナウイルス感染症の影響で私の住む地域も緊急事態宣言が発令され、こども園は一時休園となりました。近所の公園も封鎖され、妻や妻のママ友達の「外で遊ぶ場所が無くなった。どこで遊ばせよう」という嘆きを耳にしました(ブログを書いた8月時点では既に解除されています)。

 そのとき、私の中で「なぜ妻は子どもを遊ばせる場所に悩むのか」という、ちょっとした疑問が湧きました。何故なら、近所に自然がたくさんある環境なのだから、別に遊ぶ場所が公園である必要もないだろう、という考えがあったからです。

 例えば、自宅から自転車で5分ほど移動すれば、自然散策に適した遊歩道もあります。ここは小川が流れ、草木が繁茂していてとても気持ちのいい場所で、こどもを遊ばせるにも適していると思うのです。(誤って川に落ちたりなどしないよう、見守りは必要です)

近所にある遊歩道

 私が幼い頃に遊んでいたフィールドはここまで自然豊かではありませんでしたが、虫取りやザリガニ釣りなど、自分で興味のあることを探しては遊びまわっていたと記憶しています。何をして遊ぶかは決めずに外へ出て、興味のあるものを発見するとずっとそこに居る、そんな感じでした。妻の悩みと私の考えの違いは、幼いころの経験差(妻は比較的インドア派だったらしい)から来るものかもしれません。

自然のなかで遊ぶことの重要性

 五官をフルに使って自然の中で遊ぶことは、こどもにとってどのような影響があるのでしょうか。ある研究によると、幼児期における豊富な自然体験活動は、運動能力や体力・健康の増進、自然に対する理解、望ましい生活習慣の習得、自己実現や自己主張といった力の向上、集中力・学習能力・学習意欲の習得などと関連性があるとしています

 また、小中学生を対象とした研究によると、自然体験活動の参加を通して、自然を守るために何かしたいという「自然への親和性」や、自分の生命は自然に支えられており、自然界のすべてのものは繋がっているという「自然と生命の関係性」、自然界がどのような仕組みなのかを知りたいなどの「自然への興味と配慮」という点において、有意な向上が見られたそうです

実際にこども達を遊歩道へ連れて行くと、喜んで走り回ります。

待って~

 ただ走り回らせるだけでなく、「森の中にあるものを沢山探してみよう」と呼びかけ、探検をさせてみます。すると、色々な種類のキノコや、特徴的な色や形の葉っぱ、松ぼっくり、アリの大群、セミの抜け殻など、自分たちで発見しては歓喜をあげます。

ハート型の葉っぱ

根元にアリの大群がいた!

 今はまだ幼い2人ですから、まずは自然に対する好奇心が育まれればと思います。自分たちで遊び方を創造できるようになれば、更に視野が広がりそうです。そして、いずれは生命の大切さや儚さ、時には自然の厳しさなど、学びとってくれると良いなと思います。それも知識として頭で覚えるのではなく、体感によって獲得することが、今後生きていくうえで大切な情報になり得ると思うからです。

 谷口雅宣・生長の家総裁はご自身のブログの中で、新型コロナウイルス感染症が発生した原因が、体内にウイルスを持つ野生動物(宿主)と人間との濃厚接触であり、その背後にある人間至上主義(欲するものを自然から奪い、人間だけが繁栄しようとする生き方)であることを指摘されています。

 人間至上主義は地球環境問題の原因でもあり、そこから脱するには自然を敬い、恩恵に感謝する心が必要ですが、これらはこども達が遊ぶ過程で自然と獲得するのではないかと思うのです。

自然のなかで子育てをしよう

こどもに自然体験をさせてあげることのメリットが伝わりましたでしょうか?

 近くに自然豊かな場所があれば良いですが、都会ではそういう訳にもいかない部分があると思います。休みを利用して田舎の地へ出かけるなど、意識して自然と触れ合う時間を作ってあげるのが良いのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。

山田 真史

 

【参考論文】
1)山本裕之・平野吉直・内田幸一 (2005)「幼児期に豊富な自然体験活動をした児童に関する研究」『国立オリンピック記念青少年総合センター研究紀要』第5号: pp.69-80

2)山田亮・白岡千帆里・能條歩(2020)「福島県在住の小中学生を対象とした森林体験を伴う自然体験活動が生きる力と自然との共生観に及ぼす効果」『日本森林学会誌』102: pp.69-76